社畜だった社長の漂流ブログ「ハシブトガラス」|台湾の軍事力は中国に勝てるのか?2025年最新戦力データを分析!

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台湾の軍事力は中国に勝てるのか?2025年最新戦力データを分析!

2025.6.13
台湾の軍事力について

「もし明日、中国が台湾に侵攻してきたら——台湾は自国を守れるのか?」
そんな不安や関心を抱く方も多いはずです。
2025年の現在、台湾の軍事力はどこまで強化され、中国に対抗しうるのか。

この記事では、台湾と中国の軍事力を装備・兵力・戦略面から比較し、実際に「勝てるのか?」という疑問に迫っていきます。
防衛戦略やアメリカなどの同盟国の支援状況も踏まえながら、台湾の現実的な軍事対応力を見ていきましょう。

Contents

台湾の軍事力とは?兵力・装備・防衛予算の現状(2025年版)

「台湾の軍事力って、実際どれくらいあるの?」
中国の脅威が現実味を帯びる中、こうした疑問を抱く方は少なくありません。
ここでは2025年時点の台湾軍の兵力や装備、防衛予算を、できるだけわかりやすく整理していきます。

◆現役兵力と予備役の規模(2025年)

台湾国防部の公式発表によると、現役兵は約16万人。内訳は、陸軍9万人・空軍3.5万人・海軍4万人前後です。
加えて、予備役として約165万人が登録されており、国全体としての動員能力は高まっています。

また、2024年から徴兵期間が4か月から1年に延長されたこともあり、戦時を想定した人材の確保が進行中です。

◆台湾軍の主な装備(2025年版)

以下は、各軍種の主要装備と配備状況の概略です。

軍種主な装備数量(概算)
陸軍M60A3戦車、自走砲、携帯地対空ミサイル戦車:約1,200両
海軍フリゲート艦、駆逐艦、潜水艦艦艇:約50隻(潜水艦4隻)
空軍F-16V、ミラージュ2000、IDF(経国号)戦闘機戦闘機:約400機(F-16Vは60機以上)

空軍の近代化が特に進んでおり、F-16Vはレーダー性能・ステルス対応の点で中国機に対抗可能とされています。

◆台湾の防衛予算の推移

近年、台湾の防衛費は増加傾向にあります。
2025年度の国防予算は約5,800億台湾ドル(約2.7兆円)と、過去最高を記録。
GDP比で見ると約2.5%に相当します。

以下のグラフは過去5年間の予算推移を示したものです。

【図:台湾の国防予算推移】

年度国防予算(億台湾ドル)
20213,400
20223,850
20234,150
20245,200
20255,800(見込み)

出典:台湾行政院国防予算案(2021〜2025)

増額の背景には、アメリカからのF-16Vや地対空ミサイルの購入、サイバー防衛強化、ドローン戦力導入などの装備更新が含まれます。

◆徴兵制度と国民動員体制

台湾は志願兵制度を採用していますが、有事には最大で400万人超の国民動員が可能とされています。
さらに、2024年からは高校・大学での「国防教育」が必修化され、若者への軍事訓練や危機管理教育も進んでいます。

まとめ:台湾は“数”より“質”で強化中

中国と比べれば、台湾の兵力や装備数は決して多くはありません。
しかし、ここ数年で「質の強化」「即応性の向上」「防衛インフラの拡充」が急速に進んでおり、局地防衛能力は確実に高まっています。

次の章では、その“相手”である中国の軍事力と、両国のパワーバランスについて具体的に比較していきましょう。

中国の軍事力と台湾の比較|数だけでは測れない現代戦の実態

台湾の軍事力を語る上で避けて通れないのが、圧倒的な規模を誇る中国人民解放軍との比較です。
兵力・装備・戦略など、両者のギャップをまずはデータで見てみましょう。

◆兵力・装備の差はどのくらい?

中国は2025年時点で現役兵力約200万人、予備兵を含めて約300万人規模の軍を保有しており、台湾の約10倍以上の戦力を抱えています。

項目台湾中国
現役兵力約16万人約200万人
戦闘機数約400機約3,000機(うち第5世代多数)
潜水艦4隻約60隻以上(原潜含む)
防衛予算約2.7兆円約33兆円

※出典:国防白書、各国防衛省の発表より編集(2025年推定値)

◆地理と戦略の“非対称性”

数だけ見れば圧倒的に中国有利。
しかし、台湾側には地理的条件や民間防衛網の強さという利点があります。

  • 台湾は山がちで海に囲まれた地形。上陸作戦は非常に難易度が高い。
  • 都市部への進攻ルートが限られ、少数で守っても効果的に戦える
  • インフラが分散されており、指揮系統が切断されにくい

◆中国の圧力と演習の実態

中国は近年、台湾周辺での軍事演習を常態化させており、心理的・外交的圧力を加えています。

  • 2023年以降、毎月のように空母「山東」や戦闘機が台湾周辺を旋回
  • 台湾海峡での上陸訓練・模擬空爆も実施されており、「いつでも実行可能」というメッセージを暗に伝えています。

まとめ:中国優位は揺るがないが、“戦いづらい島”が台湾の強み

中国の軍事力は間違いなく世界屈指ですが、台湾のような“自然の要塞”に対しては簡単には手を出せない現実もあるのです。

次章では、その台湾が具体的にどんな防衛戦略を立てているのかを詳しく見ていきましょう。

台湾の防衛戦略|非対称戦力と“刺蝟(ハリネズミ)戦略”とは?

「中国の侵攻をどう止めるか?」その問いに台湾が出した答えが、非対称戦略。つまり、「同じ土俵で戦わず、弱者が強者に勝つ方法」での防衛です。

◆非対称戦略とは?

非対称戦略とは、相手の強さを真正面から受けるのではなく、弱点を突く・予測外の動きをする戦い方のこと。

台湾は「高価な空母や大規模上陸作戦に対し、安価で致命的な打撃を与える」ことを重視し、以下のような装備を拡充しています。

  • 地対艦ミサイル(雄風Ⅱ型・雄風Ⅲ型)
  • 高速機動ミサイル艇(沱江級)
  • ドローンや地上配備型精密誘導兵器

◆ハリネズミ戦略とは?

「触れば刺す」ことから名づけられたのがハリネズミ戦略。
本格的に侵攻すれば、甚大な被害を強いられるという抑止の構えです。

これに基づいて、台湾は以下のような防衛網を整えています。

対応策内容
地形防衛山岳地帯に地下基地・通信網を構築
レーダー・警戒全島に早期警戒システムを配備
民防訓練一般市民の避難訓練・民間シェルター整備

◆作戦運用と指揮の柔軟性

指揮系統が一元化されている中国に対し、台湾は各地に分散指令センターを設置。攻撃で一部がダウンしても、他の拠点で即時対応が可能です。

まとめ:台湾は“戦わせにくい”国を目指している

台湾は、装備も指揮も“消耗戦ではなく奇襲・機動で勝負”という設計に進化しています。
続く第4ブロックでは、これらを支えるアメリカや日本との関係性について見ていきましょう。

アメリカ・日本との関係|台湾の軍事支援と同盟の可能性

台湾単独では中国に対抗できない——これは台湾自身も理解しています。
そこでカギを握るのが、米国や日本との安全保障ネットワークです。

◆アメリカからの軍事支援

アメリカは台湾関係法(1979年)に基づき、台湾に対し以下のような軍事支援を提供しています。

  • F-16V戦闘機の売却
  • ステルス対応の地対空ミサイル(PAC-3)供与
  • 2023年からは台湾に在米軍人が駐留訓練も開始

また、2024年には「台湾防衛強化法案」が米議会で可決され、軍事協力は“事実上の同盟へと深化しています。

◆日本との協力の可能性

日本は正式には「台湾支援」を明言していませんが、以下のような“間接的支援体制”が構築されつつあります。

連携項目内容
米軍基地利用沖縄・横田・嘉手納基地などが有事拠点に
情報共有台湾情勢に関する日米台の三国情報連携
自衛隊訓練南西諸島での対艦ミサイル共同演習など

◆国際社会での孤立回避

台湾はNATOなどとは無縁ですが、米国・日本・オーストラリア・フィリピンとの“準同盟ネットワーク”が実質的に構築されつつあります。

まとめ:台湾は“同盟で守る”段階へ

装備だけでなく、政治・外交の面でも台湾は“単独防衛”から“集団防衛”のフェーズへと踏み出しつつあります。

もし中国が侵攻してきたら?シナリオ分析と台湾の勝算

もし中国が本気で台湾侵攻を始めたら?
その現実を“シナリオ別”に分けて見ていきましょう。

◆シナリオ1:空爆・ミサイル攻撃

まず想定されるのは、中国が台湾の空軍基地・レーダー施設に先制攻撃を仕掛けるケース。
これに対し、台湾はPAC-3などのミサイルで迎撃・早期探知を狙います。

◆シナリオ2:海上封鎖

中国が南シナ海・台湾海峡を封鎖して経済的圧迫を狙う可能性も。
これには台湾海軍とアメリカ第7艦隊の“突破連携作戦”が鍵になります。

◆シナリオ3:上陸作戦(最も困難)

中国が実際に台湾本島へ兵を上陸させるケース。
ただし、これは最も難度が高いとされ、山岳・河川・街路戦への対応が不可避。

台湾は都市部への突入を阻むため、市街地に防衛線を張るゲリラ戦法を展開すると予想されます。

◆台湾の“勝算”とは何か?

台湾が目指すのは「撃退」ではなく“継戦能力”。
つまり、

  • 初動で耐える
  • 国際世論を味方につける
  • 米国や周辺国の参戦を引き出す

この時間稼ぎの戦術こそが、台湾防衛の鍵を握っています。

まとめ:台湾は“短期で負けない”戦略で生き残りを図る

台湾にとっての勝利とは「自力で勝つ」ことではなく、「耐えて世界を味方につける」こと。
2025年の台湾は、まさにその“耐える備え”を整えつつあるのです。

台湾の軍事力は中国に勝てるのか?その答えは「短期決戦ではなく、持久戦」

2025年の台湾軍は、兵力・装備の面では中国に到底及びません。
しかし、「質」で補い、「耐える設計」によって、防衛力を着実に強化しています。
アメリカや日本との連携、非対称戦略、国民の防衛意識向上など、あらゆる角度から“島全体を守る体制”が築かれつつあるのです。

台湾が中国に「勝つ」ために必要なのは、“戦わずに抑止する”こと。
そして、万が一戦争になったとしても、「初動を耐えて援軍を呼び込む」こと。
この“二段構え”こそが、台湾の現代的な防衛戦略の核心です。